「春は名のみの風の寒さや…」少しずつ春が近づいて来ていますね。近くの神社では梅が咲き出していました。お変わりありませんでしょうか。
今日は、なぜ歌唱活動が認知症予防や認知症改善に良いのかをお話してみようと思います。

認知症は、現在その進行を止める薬は発見されていません。一部の認知症の進行を遅らせる薬がありますが、副作用の報告もあります。
他方で、薬に頼ることなく他の様々な方法でその進行や発症を止める試みが行われ、それなりに評価もされて来ています。

認知症へのアプローチの方法を整理してみましょう。
脳、身体、内臓、心。この4つの領域にアプローチを掛けることで、認知症は快方に向かうと言います。私はその根本は「心」で、ご本人のメタ無意識下の何らかの思い込みが大きく影響を与えていると思っています。音楽をしていると、いわゆる常識に満ちた社会生活から一時的に解き放たれますので、この無意識下の思い込みに揺さぶりを掛けるのにとてもも適しています。

さて、「うたおうタイム」では、歌詞を画面に大きく出してご一緒に歌って頂いていますが、この「目で追う」眼球活動の動きは脳の中脳への刺激に当たります。
声を出すことは口や表情筋の動きとなり、脳の運動野への刺激になります。また脳内の内側前頭前野への刺激にもなります。
やる気を出すという意味でも、運動や外出が出来ない場合に手軽に利用できる方法として歌唱活動はお勧めです。
その他にも歌うことによって、脳の報酬系が働き出しますし、呼吸筋を動かすことにもなり、有酸素運動の1つとしてもお勧めです。

総合的にアンチ認知症の活動として、普段の生活の中で「歌う」ことを是非取り入れて頂きたいと願います。(2022.2.24)