ご高齢者が楽しみながら歌を歌えるための番組「うたおうタイム」では、毎回歌唱を行う前にウォーミングアップ体操、耳ほぐし、舌体操、パタカラ体操を利用した発声練習を行っています。
今回は「耳ほぐし」の効用について調べてみました。
私たちの耳には、ツボが100以上あるとも200以上あるとも言われています。体の中の小さな部分ですが、すごいと思いませんか。大切に扱いたいものですね。
耳には自律神経の繊維が多く分布しています。ですので、耳をマッサージすることで自律神経の安定を図ることが出来ます。自律神経には、交感神経と副交感神経がありますが、交感神経(活動力を高める)の繊維は耳の外側、副交感神経(心身をリラックスさせ、内臓の働きをよくする)の繊維は内側に多く分布しています。
耳たぶ(主に外側)をゆっくり揉むと、体が暖かくなる、視界がはっきりする、耳の聴こえが良くなる(3~5デシベル程度アップするそうです)などの効果を実感される方が多くいらっしゃいます。これは脳内の血流が良くなる、脳機能が活性化することを意味していますので、認知症予防にも効果がある事が期待できると言われています。
他方、耳の内側は副交感神経を刺激するため、耳つぼダイエットなどに利用されています。
また、耳たぶの硬さは心臓に栄養を送る冠動脈と関係があると言われ、耳たぶを揉んで柔らかくしておくことは、狭心症や心筋梗塞の予防にも役立つ可能性があるそうです。
ですので、耳なし芳一のお話ではありませんが「耳を侮るなかれ」なのです。
耳たぶの揉み方は、無理ない範囲で①耳たぶの上を持ち持ち上げる、②耳たぶの横を持って横に引っ張る、③耳たぶの下を持って下に引っ張る、④耳たぶ全体を持って外回しと内回し、それぞれ3回程度行いましょう。
日々の健康のために、口腔ケアとしての「舌体操」だけでなく、「耳ほぐし」も歌う前のウォーミングアップに取り入れませんか。
*上馬場和夫「耳ツボの効果」https://tokusengai.com/_ct/17250743 などを参考にさせて頂きました。